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トラックドライバーが不足している理由と現状

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コロナウイルス関連の失業が増加し求職者が増えている一方で、トラック業界は人手不足が深刻となっています。

オリンピック需要などにより、今後トラックドライバーが多く必要となる中で不足している原因としてはいくつかあります。

今後トラックドライバーへの転職を考えている場合は、不安に感じるのではないでしょうか。

そこで今回は、トラック業界の現状やトラックドライバーが不足している原因、それに対する対策について詳しく解説していきます。

運送業界の現状

様々な荷物を乗り物を使用して配達先まで運ぶことが仕事の運送業ですが「日本のトラック輸送産業現状と課題2020」によると国内の物流全体の総売り上げは24兆円となります。

その中でトラック業界の収入は28年度において約14兆円もあり、平成21年度の約11兆円に比べ増加傾向にあります。

最近ではコロナウイルスによる生活習慣の変化と、ネット通販などのEC事業が急成長したことに伴い物流件数も増えてきています。

その中で現在トラック業界で深刻な課題となっているのが、トラックドライバー不足です。

その理由としてはいくつかあると言われており、その人材不足の解消に向けて働き方の改革など様々な取り組みが行われています。

関連記事:トラック運転手の人気がない理由とは?現役運転手の声も紹介

トラックドライバーが不足している理由

トラックドライバーが人材不足となっている理由には、いくつかの原因があります。
どのようなことが不足の原因なのかを解説していきます。

物量の増加

最近では、コロナウイルスによる生活習慣の変化と、ネット通販などのEC事業が急成長したことに伴い物流件数も増えてきています。

また、他の国に比べ手納期の厳守率は最も高い98.6%で生ものなどの腐敗率も5%と品質としてはトップレベルである一方で、再配達率は20%と最も高い数値です。

このように配達件数の増加だけでなく、配達効率が悪いこともトラックドライバーが不足している原因であり負担となっています。

トラックドライバーの高齢化による不足

トラックドライバーの数はピーク時で92万人ほといましたが、年々減ってきており2017年では80万人を下回り、人材不足が加速しています。

また厚生労働省の「資金構成基準総計調査」によると、トラックドライバーの年齢構成は2015年で大型トラックドライバーで40~49歳が40.3%、50歳以上が38.6%となっておりほとんどが40歳以上となっています。

普通・小型トラックドライバーの場合は40~49歳が20.8%、50歳以上が21%となっています。

このようにトラックドライバーの高齢化が深刻となっており、更に今後高齢化によるトラックドライバーが不足していくと言われています。

オリンピック需要などによる急速なインフラ整備も進められており、荷物の輸送だけではなく建設関連の資材を運搬するトラックドライバーも不足しています。

2020年問題においてはトラックドライバー需要量が103万人と予想されており、10万人以上も不足することになります。

関連記事:トラック運転手の仕事はなくなる?運送業界の将来性を徹底解説

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トラックドライバーの労働環境のイメージによる不足

トラックドライバーは他の職業に比べ拘束時間が長く、そのイメージが悪く思われがちなこともトラックドライバーが不足している原因となっています。

一般的なトラックドライバーの悪いイメージとして以下のような意見があります。

・長時間運転していてなかなか家に帰ることができなさそう
・荷物の積み下ろしがとてもきつくて体力面で大変そう
・3K(汚い、きつい、危険)のイメージがある
・給料が低く、将来のことを考えると大変そう

このように、トラックドライバーに対して悪いイメージを持つ人もいるため、比較的挑戦しにくくトラックドライバー不足の原因の一つとなっています。

トラックドライバーの不足には、様々な原因があることが分かりました。
その一方で不足の解消に向けていろんな取り組みも行われています。

労働時間の政策による働き方の改善

トラックドライバーの特徴でもある長い拘束時間ですが、過度な労働環境をなくすために厚生労働省によって細かく労働時間のルールが決められました。

拘束時間は仕事が始まった時間から終わった時間までであり、労働時間と休憩時間を足したものになります。

・1日の拘束時間と休息時間

トラックドライバーの拘束時間は13時間以内に抑えることが原則となっており、それ以上となる場合は16時間までとなっています。
16時間の労働をした場合、次の始業まで継続して8時間の休息時間が必要となります。

また、1日の拘束した時間が15時間を超えられるのは週に2回までとなっています。

・一カ月の拘束時間

トラックドライバーの1ヵ月間の拘束時間は原則293時間となっています。
毎月の拘束時間の限度を決める書面で労使協定を締結した場合においては1ヵ月320時間までなら延長が可能です。

これについても1年間で6ヵ月までとなっており、365日間での拘束時間は3516時間以内にしなければなりません。

・2人で乗務する場合

トラックに2人以上が乗務する場合は1日最大20時間まで拘束時間を延長することが可能となっており、連続した休息は4時間となります。

条件として、車両内に体を伸ばして休息できる設備がないといけません。

1日の運転時間は2日の平均で9時間までとなっています。
1週間の運転時間は2週間ごとの平均で44時間までとなっています。
連続した運転時間に関しては4時間までとなっています。

国土交通省が始めたトラガール促進プロジェクト

トラックドライバー不足を解消するために国土交通省は平成26年から「トラガール推進プロジェクト」を立ち上げました。

トラック業界では女性の割合はわずか2%(2万人ほど)となっている一方で、大型免許を取得している女性は13万人以上もいます。

そのため働き方を改善したりすることで女性ドライバーを増やし人材不足を解消する取り組みが行われています。

具体的な働き方の改善としては以下のようなものがあります。

・勤務シフトの改善

子供がいる場合などは長時間の労働が難しい場合もあるため、女性ドライバー向けに日帰りができるようなシフトを作成したり短距離路線の仕事も採用する企業が増えてきています。

・女性専用のトイレや更衣室の設置

もともと男性が多い職場なので、女性用トイレが無かったりする職場が多かったのですが、新たに設置したり更衣室を設けるなど職場環境の改善が行われています。

・力仕事が無い業務

トラックドライバー不足の原因でもある体力面の負担を減らすために、手積みの貨物を取り扱う仕事が無いようにしてパレットなどをフォークリフトで積み下ろすような業務を取り扱う企業が増えてきています。

上記のような環境を企業が整えやすくするために、様々な助成金も用意されており条件を満たせば支給してもらうことが可能です。

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トラックドライバーの仕事内容

トラックドライバーは荷物を配達するのが仕事ですが、運転するトラックのサイズにはいくつかの種類があり、大型・中型・小型に別れます。

大型トラックドライバーは比較的長距離の仕事が多く、拘束時間が長い一方で収入が最も多い傾向にあります。

中型トラックドライバーは、国内で最も使用されているサイズであり、長距離もあればルート配送などもあります。

小型トラックは近距離の仕事が多く、運転による拘束時間も比較的短くなる一方で収入としては低めであります。

出社後に荷主の元に向かい集荷を行うのですが、手積みの時もあればパレットをフォークリフトで積み込む場合もあります。

運転中はちょっとしたミスが大事故につながる可能性があるため高い集中力が必要となります。

その後配達先で積み下ろしを行い一つの作業が終了となります。

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まとめ

トラック運送業界ではEC事業の拡大やコロナウイルスによる生活環境の変化で貨物の取り扱い件数が増えてきています。

しかしトラックドライバーは減少傾向にあり人で不足が深刻な課題となっています。

原因としてあるのが、トラックドライバーの高齢化や労働環境に対する悪いイメージです。

トラックドライバー不足の解消のために、労働環境の改善やトラガール推進プロジェクトなどの取り組みが行われてきており、昔のイメージや環境は徐々になくなりつつあります。

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