トラック運転手と言ってもトラックの大きさなどにより、様々な職種があります。
その中でも花形といわれているのが「トレーラー運転手」です。
かっこよく人気の職種なのですが、すぐに誰でもなれるわけではなく必要な資格や事前に知っておかなければならない仕事の特徴もあります。
そんなトレーラー運転手について詳しく解説していきます。
トレーラー運転手を目指していたり転職を考えている方は是非参考にしてみてください。
目次
トレーラーの運転手とはどんな仕事?
トレーラー運転手は、依頼された荷物を配達先まで運送することが仕事となります。
運搬量が多いため、近距離ではなく遠距離の配達をすることが多く、そのぶん運転時間が長いことが特徴です。
また遠距離の場合、高速道路を使用することが増えるため、ETC割引で高速料金が低くなる深夜帯の時間に勤務することも珍しくありません。
運転するトラック、けん引するトレーラー共にサイズが大きいので高度な運転技術と集中力が必要となります。
トレーラー運転手の仕事内容
トレーラー運転手はその名の通り、トラックでトレーラーをけん引して荷物を運送します。
トレーラーで運送される荷物は多くあり、海外から運ばれてきたコンテナやガソリンなどが入っているタンクローリー、車を積載できるキャリアカーなどがあります。
ただ荷物を運べばいいというわけではなく、積み込み先で荷物を積み込む作業を手伝ったり、配達先では下ろす手伝いをすることもあります。
キャリアカーの場合は自身で積載する車を運転して積み込んだり、下ろしたりする必要も出てきます。
また、トラックのサイズが大きくちょっとした整備不良が大事故につながる危険性があり、毎日かかさずトラックの点検をやることもトレーラー運転手としての大切な仕事です。
トレーラー運転手の労働時間
トレーラー運転手の労働時間は、会社によって変わりますがどのような荷物を運ぶ上でも法律で定められたルールがあります。
他の職業とは違い、積み荷先や荷下ろし先のスケージュールもあり、トラックの中で待機しなければならないことがあります。
待機時間も含めたトレーラー運転手の拘束時間は、1日13時間が基準となりますが状況によっては上限16時間まで認められています。
ただし15時間以上の拘束は週に2回までです。
また、一カ月の拘束時間は293時間までで、書面による労使協定を結ぶと最大320時間の拘束までなら可能となります。
これも年間で6ヵ月までしかできず、1年間トータルの拘束時間は3516時間以内と細かく決められています。
休憩時間については、4時間ごとに30分の休憩を取るように定められています。
休日についても細かいルールが定められており、トレーラー運転手の場合は休息期間というものもあります。
休息期間とは、トレーラー運転手の仕事以外の生活時間のことで、一日8時間以上となります。
この時間は分割することができず、連続で8時間以上となります。
次に休日ですが、休息期間にプラスして24時間と決まっており、30時間を下回ってはいけません。
繁忙期などは休日出勤をすることがありますが、それも2週間に1回までという決まりがあります。
トレーラーの運転手は人手不足
現在、トレーラー運転手を含めトラック運送業界全体が人手不足となっています。
その理由としては主に2つあると言われており、一つ目が若い運転手が少ないことです。
トレーラー運転手は普通の職業とは違い、運転時間の他に拘束時間があり労働時間が長いイメージがあります。
積載する荷物によっては、運搬先で手降ろしなどの作業もあり過酷な職業と思われがちです。
そのため、若い世代でトレーラー運転手を目指す人材が少ないのが現状です。
それに加え現役ドライバーの高齢化も、人材不足の原因となっています。
この事態を踏まえて、上記で説明したような働き方改革制度が厚生労働省や国土交通省により制定されました。
二つ目の理由が需要の増加です。
インターネットの普及により、通販による購買が増え物量が増えたことでドライバーの数が追いついていないのが現状です。
個人でネット上にお店を出せたり、ショップによっては送料無料になることが増えており、更に貨物量が上がると予想されています。
関連記事:キャリアカー運転手の仕事内容は?給料や一日の流れなどを一挙解説!
トレーラー運転手になるにはどんな資格がいる?
必須資格
トレーラー運転手になるために必要な免許は2つあります。
一つ目がトラックを運転する際に必要な大型一種免許で、満21歳以上で取得が可能となります。
また、取得条件として普通車免許または中型免許か大型特殊免許を取得しており、その免許経歴が通算3年以上の人に限ります。
二つ目が牽引免許で、満18歳以上で取得することが可能です。
けん引するトレーラーが大型の場合は、大型一種免許が必要となります。
けん引する荷物が危険物である場合は、別に危険物取扱者の資格が必要な場合もあります。
関連記事:牽引免許は難しい?資格取得方法や運転のコツなどについて詳しく解説
あると有利な資格・スキル
・危険物取扱者
運送する荷物が、ガソリンなどの危険物である場合、危険物取扱者という資格が必要となります。
危険物取扱者にはいくつかの種類があり、必要となるのは乙種4類です。
持っているだけで運べる荷物の種類を広げることが可能です。
・フォークリフト運転技能講習修了証
トレーラー運転手の仕事内容の一つに荷物の積み下ろしがあります。
ほとんどの場合、現場のスタッフが積んでくれるのですが、中には自分で積み下ろしを行わなければならない場合があります。
そんな時に必要となるのがフォークリフトの運転技術です。
あくまでも資格ではないため、講習を受ければ取得が可能で、必要な日数は5日前後となります。
未経験でもトレーラー運転手として採用されるには?
トラックの中でも特に大きく、高度な運転技術が必要となるトレーラー運転手ですが、未経験であったとしても就職できる可能性は十分にあります。
上記で説明したように、ドライバーの高齢化や運送貨物の増加により今若いトレーラー運転手が不足しているからです。
未経験でも就職できるか判断するポイントとして、求人情報に「未経験歓迎」と記載があるかを確認してみたり問合せしてみましょう。
特に、新人社員への研修などに力を入れている企業はおすすめです。
女性がトレーラー運転手として採用されやすくなるには?
トレーラー運転手として活躍する女性は今までとても少なかったのですが、人手不足により増えてきています。
トレーラーの運転自体は力が必要ではないため、身体的なハンデはほとんどありません。
また、積み下ろしに関してもフォークリフトが運転できたり、積み下ろしの必要がない職場であれば全く問題ありません。
女性がトレーラー運転手と採用されやすくなるには「時間の確保」が重要です。
トレーラー運転手は運転時間とは別に待機時間もあり、拘束時間が長いことが特徴です。
家事や育児で一日数時間しか働けないなど、時間の確保ができないと採用されにくくなってしまいます。
関連記事:トラック運転手は未経験でも転職できる?条件や求人を詳しく紹介
トレーラー運転手平均給与
次にトレーラー運転手の雇用形態、年代別などによる平均給与を紹介していきます。
「求人ボックス」によると、トレーラー運転手の平均月給は35.3万円で平均賞与は31.9万円でした。
比較的高いようにも思えますが、拘束時間が長く平均総労働時間は215時間で時給に換算すると1,417円となりました。
また、トレーラー運転手と言っても所属する業界は多く、運搬物や条件によっても平均年収は違います。
運搬物と労働条件 | 平均年収 |
海上コンテナ | 477万円 |
鋼材 | 455万円 |
一般けん引 | 442万円 |
未経験ドライバー | 426万円 |
年齢別の平均給与は以下の通りです。
年代 | 平均年収 | 月収 | 賞与 |
20~24 | 386万円 | 30.8万円 | 16.1万円 |
25~29 | 410万円 | 32.3万円 | 23.1万円 |
30~34 | 447万円 | 35.0万円 | 26.6万円 |
35~39 | 464万円 | 36.0万円 | 31.9万円 |
40~44 | 478万円 | 36.9万円 | 34.5万円 |
45~49 | 478万円 | 36.9万円 | 35.1万円 |
50~54 | 472万円 | 36.3万円 | 35.9万円 |
55~59 | 461万円 | 35.4万円 | 35.6万円 |
企業の規模によっても平均年収は変わり、大きければ大きいほど高い傾向となります。
関連記事
・大型トラック運転手の給料の実態とは?今がチャンスである理由
・トラック運転手の仕事内容を解説!給料・求人・必要な免許など紹介

トレーラー運転手のやりがい
トレーラー運転手の運搬物は様々で国内外関係なく物流によって人々の生活を支えています。
荷物の運搬手段にはほかにも鉄道や飛行機、船などがありますが、トラック、トレーラによる国内貨物総輸送量は44億トンで全体の91.5%にもなります。
会社の正社員として働くことが多いトレーラー運転手ですが、会社によっては歩合により給与が変わる雇用形態もあります。
運行手当や長距離手当、資格手当なども付きやすく働くほど稼げることもやりがいの一つとなります。
海上コンテナなどは特に、到着時間に制限がありお客様の荷物を時間内に希望の場所まで責任をもって働くことにやりがいを感じているトレーラー運転手も多くいます。
トレーラー運転手はかっこいい職種!
トレーラー運転手は普通のトラックとは違い、トレーラーをけん引しています。
荷物の運搬料ではトラックの中でも多く、連結すると全長が20メートルを超えることもありとても迫力があります。
そんなトラックを運転するのは簡単ではなく、トラック運転手の中でも花形と言ってもいい憧れの職種です。
ただただ大きいだけではなく、けん引している場合はバックの際に逆ハンドルとなります。
狭い場所でも指定された場所にきれいに停車させる技術は、同業者から見てもカッコよく見ていて迫力もあります。
トレーラー運転手は運転技術がすごい!
トレーラー運転手は、普通のトラック以上の運転技術が必要となり、一番の違いと言っていいのが、バックで駐車する際の「逆ハンドル」です。
普通のトラックや車であれば、左にハンドルを切ってバックすれば左に曲がりながらバックできます。
トレーラーの場合、トラックのハンドルを左に切ってバックをするとトレーラーは右に折れます。
そのため、トレーラーを左にバックさせたい場合は右にハンドルを切らなければならず、行動な運転技術が必要です。
また、トラックの全長が大きければ大きいほど内輪差が出てしまいます。
そのため左折時などは得に大回りをして曲がらなければならず、人や障害物に接触しないように運転するには高い集中力も必要となります。
普段の走行時では「ジャックナイフ現象」に注意しなければなりません。
急ブレーキを踏むことでヘッド側の後輪がロックされてしまい、トレーラーが連結部を起点に「くの字」に強く折れ曲がってしまう現象です。
そのためトレーラー運転手は特に、しっかりと車間距離をとり前方に異常がないか注意しながら走行しています。
関連記事
・きついはずのトラック運転手を続けるのはなぜ?トラックを走らせる歓びとは
トレーラー運転手の志望動機例文
トレーラー運転手はトラック業界の中でも憧れの職種であり、給料も高いため競争率は高いです。
未経験でも会社に受かるためには面接がとても重要となり、その中でも必ずと言っていいほど聞かれるのが「志望動機」です。
会社の必要としている人材に合っているか、自分の能力や性格がトレーラー運転手に向いているか、なぜトレーラー運転手を選んだのかなどのポイントを抑えて考える必要があります。
今回は面接で好印象を与えられる例文を紹介していきます。
例文1(自分の性格にあっているか)
私の強みは、リスクを考えてしっかりと準備を行えることです。
以前私は機械の制作を行っていました。ただ部品を組めばいいわけではなく部品の発注や到着日、最終精度の確認などがあります。
機械の納期を元に、各部品の到着予定日を把握し作業工程を変えるなどして必ず納期に遅れないように準備を行っていました。
精度が出ないときのことも考え、部品を箇所によって多めに準備しておくなどしてこれまで納期に間に合わなかったことはありません。
貴社に入社した際も到着時間を元にその日の天候によるリスクなどを踏まえ万全の準備を行い安全運行をできる自信があります。
例文2(トレーラー運転手を選んだ理由)
日本全国に様々な荷物を安全に届けるという仕事と、その運転技術に憧れて志望致しました。
毎日時間内に荷物を届けることで物流を支え、多くのお客様に喜んでいただけるようなトレーラー運転手になりたいと思います。
まとめ
今回はトレーラー運転手について詳しく解説してきました。
トレーラーを使用し、様々な荷物を配達するトレーラー運転手はトラック業界でも花形の職種であり、高度な運転技術が必要です。
トレーラー運転手になるには、大型一種免許やけん引免許が必須となりますが、会社によっては未経験でも就職が可能です。
拘束時間が長く、大変な仕事ではあるものの給与は運送業界の中でも比較的高水準です。
人手不足が深刻となっている今、働き方は大きく改善されてきており女性のトレーラー運転手もいます。
責任と高い運転技術、経験が必要となる分人気でかっこいい職種です。
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国際基督教大学卒。エン・ジャパンの新規事業企画室でHRTech(SaaS)の事業企画と営業を経験。シード期のHR系スタートアップでインサイドセールスとキャリアコンサルタントに従事し全社MVPを獲得。その後、5年で300名と急成長するベンチャー企業ネクストビートにて、高所得女性向け情報メディア事業、ホテル向け人材事業の立ち上げを行う。