トラックの整備は、きちんと行っていますか?トラックを使って仕事をしているなら、毎日いろいろな整備をしているはずです。灯火類が切れたら交換し、タイヤは一定期間でローテーション……。大きな乗り物だけに、トラックの整備はやることが多くて大変です。
ところでトラックのオイル交換は、適切にできていますか?
「車検の時に、やっているから大丈夫。」
「それほど距離を走らないから、あまり交換しない。」
そんな人は多いですよね。そんなオイル交換ですが、実は重要な整備です。オイルを人間で例えるなら、血液みたいなものなので、異常があると大きな問題に発展します。ですがオイル量のチェックはこまめにやっているが、オイル交換時期まで気にしている人は多くありません。本当にそれで良いのでしょうか……。
この記事では、オイル交換に無頓着なトラックドライバー向けに、
「適切なオイル交換の時期や目安、量、費用」
を解説していきます。トラックドライバーは、トラックに命を預けて仕事をしているはずです。面倒くさがらずに、一緒にチェックしていきましょう!
目次
トラックのエンジンオイルを交換する5つの理由
まずは、オイル交換と言われて最初に思いつく「エンジンオイル交換」の重要性を説明していきます。エンジンオイルの主な役割は、車にとって1番大切なエンジンを守ることです。適切な時期にエンジンオイル交換をすることで、次のような効果が期待できます。
- 潤滑
- 冷却
- 密封
- 洗浄
- 防サビ
潤滑効果
エンジン内部で起こる、金属同士の摩擦などをエンジンオイルで潤滑し、軽減します。
冷却効果
エンジンを動かしているとき、内部は高温状態です。エンジンオイルを循環させることで、エンジンを冷却しています。
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密封効果
エンジン内部のピストンと、シリンダーの間に油の膜を作ります。エンジンの調子が良くなるので、トラックの燃費向上を考えると見逃せない効果です。
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洗浄効果
エンジンオイルは、エンジン内部を循環する時に汚れを洗い落とします。パーツをきれいに保つ必要性は、説明するまでもないですね。
防サビ効果
エンジン内部は、外部との温度差があるので水分が発生しやすくサビやすいです。サビの発生は、エンジンの寿命を縮めます。サビからエンジンを守ることは、エンジンオイルの大切な役割です。
エンジンオイルの重要性は、理解できましたか?ここからはトラックのサイズ別に、エンジンオイルの適切な交換時期を解説します。
トラックのエンジンオイル交換のタイミングについて
トラックのエンジンオイルの交換タイミングは基本的にはトラックの大きさ、トラックの走行距離によって決定します。
2t、4tトラックは15000km程度の走行が交換の目安
2t、4tトラックだと一般の乗用車と、交換時期はそれほど変わりません。主にトラックを市街地で使用するなら、少し早めのオイル交換が良いでしょう。逆にトラックの使用が長距離メインなら、多少ならオイル交換の時期が遅れても問題ありません。
大型トラックは20000km程度の走行が交換の目安
大型トラックは、長距離での使用がメインです。そのためオイル交換の目安も2t、4tより長く20000kmほど走行したら交換時期となります。
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トラックのエンジンオイルの交換料金:約5,000~30,000円が目安
トラックのエンジンオイル交換をする時に、時期以外にも気になるのが、やはり費用です。一般の乗用車よりも多くの量を、トラックだとオイル交換します。
「ものすごい料金になるのでは……。」
トラックは、維持するだけでも高額です。そのため交換費用などには、どうしても敏感になります。ですが安心してください。おそらく考えているよりは、安いはずです。トラックのサイズ別に、およそのエンジンオイル交換費用をチェックしていきましょう。
2tトラックのエンジンオイル交換にかかる費用
2tトラックだと、エンジンオイル交換工賃は1500円前後が一般的です。工賃にエンジンオイルの金額をプラスすれば、およその費用が分かります。2tトラックだと、8リッターほどオイル交換します。またエンジンオイルの金額は、1リッターで500円くらいです。合計すると5500円程度の費用が、エンジンオイル交換にかかるでしょう。
4tトラックのエンジンオイル交換にかかる費用
4tトラックのエンジンオイル交換工賃は、2tのときよりも金額が増すことが多いです。それでも2500円程度ですので、それほど高額とは言えません。4tトラックだと、10リッターくらいオイル交換します。交換するエンジンオイルは2tトラックと同じものですので、6500円くらいがエンジンオイル交換費用です。
大型トラックのエンジンオイル交換にかかる費用
大型トラックのエンジンオイル交換工賃は、3500円~4000円くらいが相場です。それほど工賃はあがりませんが、オイル交換する量が多くなります。大型トラックのエンジンオイル交換量は、30リッター以上です。大型トラックは、サイズに差があります。自分の乗る大型トラックの、エンジンオイル交換量を知らないと計算ができません。エンジンオイル交換量が30リッターの場合、費用は19000円程度です。さらに大きなトラックだと30000万円近い費用が、オイル交換にかかる場合もあります。
関連記事:軽トラのオイル交換の目安や費用、方法について詳しく解説
トラックのエンジンオイル交換:エレメント交換の目安は2〜2.5万km
トラックのエンジンオイル交換費用は、考えていたよりも安かったはずです。ですが実際には、エンジンオイル交換時にもう1つ費用がかかる場合があります。ここからはエンジンオイル交換時に必要な、「エレメント交換」を解説していきます。エレメント交換も、トラック維持には欠かせない整備です。費用も追加でかかってしまいますが、仕方ありません。エレメント交換時期の目安や、費用をチェックしていきましょう。
エレメントとは?
エレメントとは、エンジンオイルをろ過するフィルターのことです。エンジンオイルをキレイにし、燃費の向上にも役立ちます。エレメントを交換せずにそのままにしておくと、エンジンオイルに汚れやゴミがたまります。エレメントの交換なしに、エンジンを安全に長く使い続けることはできないでしょう。
エレメント交換の目安
エレメント交換の目安は中型トラックで20000km、大型トラックで25000km走行したときです。ただ車種、メーカーにより幅があるので1度確認することをオススメします。
「エンジンオイル交換を2回したら、エレメントも交換する。」
そんな人も多いですが、トラックの使い方次第では、交換サイクルを変えるべきかもしれません。
エレメントの交換費用
エンジンオイル交換と同じで、やはり費用が気になるますよね。エレメント代金は1000円~3000円と、種類や店舗によりバラバラです。また工賃も、同じくらいの金額がかかります。注意点があり、エンジンオイル交換をせずにエレメントのみを新しくはできません。エレメントを交換するときに、エンジンオイルが抜けてしまうからです。そのため店舗により、「セット割引」などのサービスを受けられる可能性があります。エレメント交換費用に関しては、事前に店舗に確認したほうが良さそうですね。
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トラックのエンジンオイル交換以外に必要なオイル|3選
トラックのオイル交換といえば、やはりエンジンオイルが最初に思いつきますよね。ただトラックのオイル関連の整備は、エンジンオイル交換だけではありません。ここからは、エンジンオイル以外のオイル交換を解説していきます。
ミッションオイル
ミッションオイルはミッション車に欠かせないオイルです。劣化してくると、スムーズにギアが変わりません。ミッションオイル交換の費用は、工賃込みで5000円前後が一般的です。ギアの動きに異常を感じたら、ミッションオイル交換を検討しましょう。
デフオイル
デフとは車がスムーズに、カーブを曲がるために必要となる装置です。デフオイルは、デフを滑らかに動かす役割を担っており、劣化すると走行中に異音が発生します。デフオイルはエンジンオイルほど、大量には交換しません。大型トラックでも、4リッターほどでしょう。そのかわりにエンジンオイルよりも割高で、1リッターあたり2000円前後が一般的です。工賃は2000円程度ですので、ほかのオイル交換と金額的には変わりません。デフオイル交換費用は合計で、5000円~10000円くらいでしょう。20000km走行したときか、2年の経過がオイル交換の目安です。ミッションオイルと同じタイミングで、オイル交換する方法をおススメします。
ブレーキオイル
名前の通り、ブレーキを正常に動かすために欠かせないオイルです。ブレーキが正しく動かないと、そもそも運転ができません。トラックのブレーキオイル交換量は、2リッターほどです。すべてのオイル交換を自分でやる人もいますが、ブレーキオイルに関してはプロに頼むべきでしょう。自分だけでなく、周りの安全にも関係する整備項目だからです。ブレーキオイル交換は、工賃込みで10000円~20000円ほどの費用がかかります。また、ブレーキオイル交換の目安は「2年ごと」です。ほかのオイル交換と同じ時期に行うと、安心してトラックを使用できます。
関連記事:トラック整備の基本的な知識とは?日常点検に使える工具を解説!
【サイズ別】トラックのエンジンオイル交換方法|5ステップ
ブレーキオイル交換のような、安全に直結する整備項目はプロに頼むべきです。ですがエンジンオイル交換くらいなら、自分でできた方が維持費用が安くすみます。ここからはトラックのエンジンオイル交換法を紹介します。細かな点は乗車するトラックによって違いますが、基本的な流れはすべて同じです。
トラックのオイル交換法1(道具をそろえる)
次の道具をそろえましょう。
- 新しいエンジンオイル
- 廃油処理箱またはオイル受け皿
- オイルジョッキ
- スパナ
- ガスケット
- じょうご
- 汚れてもよい布
- ダンボール
トラックのオイル交換法2(キャビンを上げる、動画の0:15~)
作業の始めにトラックのキャビンを上げてください。トラックのエンジンが、キャビンの下にあるからです。大型トラックの場合、手動では上げられないので説明書を確認しましょう。
トラックのオイル交換法3(古くなったオイルを抜く、動画の0:32~)
地面にダンボールを敷いて、オイルを抜いてください。車体底のドレンボルトを外すと、古いオイルが出てきます。じょうごを使って、廃油処理箱に古いオイルを入れてください。古いオイルは、熱くなっている場合があります。手にかからないように、注意してください。
トラックのオイル交換法4(新しいオイルを入れる、動画の1:33~)
オイルフィラーキャップを開けて、新しいオイルを入れましょう。大型トラックの場合、高い位置にエンジンがあります。エンジン付近まで登る場合は、転落に注意してください。またドレンボルトをしめるときに、ガスケットを新しいものに交換しましょう。
トラックのオイル交換法5(オイル量を確認する)
レベルゲージで、新しく入れたオイルが適量なのかチェックしてください。問題がなければ、オイルフィラーキャップをしめてキャビンを戻しましょう。これでトラックのオイル交換は完了です。
ここまでの流れを確認して、どう感じましたか?難しく感じたなら、エンジンオイル交換もプロにお願いするべきです。恥ずかしさよりも、安全が優先されます。
関連記事:ファンベルトの交換時期はいつ?交換方法や費用などを詳しく紹介!
トラックのオイル交換は定期的に必要
トラックのオイル交換にかかる費用は、合計すると大きな金額です。ただトラックの性能を維持するためには、欠かせないオイルばかりです。また定期的にオイル交換することで故障が少なくなり、結果的に安くすみます。
「面倒くさい……。」
「費用が高い。」
オイル交換しなければ、どうなるのかを考えれば、多少のお金や時間は問題にならないはずです。
関連記事:大型トラックのタイヤ交換方法や費用、時期をわかりやすく解説
トラックのオイル交換に関するまとめ
オイル交換を、おろそかにしているトラックドライバーはたくさんいます。ですが命を預けるトラックの整備を、おこたっていいはずがありません。また、
「エンジンオイル以外のオイル交換は、とくに気にしていない。」
そんなトラックドライバーも珍しくはないです。ですがエンジンオイル交換以外のオイル交換も、トラックを維持するためには重要な整備項目ばかりです。特にブレーキオイル交換は、自分以外の安全にも関係します。オイル交換の費用を合計すると、大きな金額です。大型トラックに乗っているなら、2tトラックや4tトラックの数倍の費用がかかるかもしれません。ですがトラックという、一般車両よりも危険な乗り物を扱うのですから、仕方ないでしょう。
安全に走行するのは、トラックドライバーなら当然です。オイル交換などの整備を完璧にこなして、ワンランク上のトラックドライバーを目指しましょう。
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