外に出れば必ずと言っていいほど見かけるトラック。
トラックと言っても色々な種類のトラックがあります。
軽トラから2t・4tトラックや大型トラック、もっと大きなトレーラーなど。
運ぶ荷物の種類によっても、様々な形状(架装)をしたトラックがあります。
トラックの架装は、平ボディー・箱車・ウィング車・パワーゲートなどがあります。
冷凍食品などを輸送するトラックは冷凍機能が付いています。
ネット通販などで購入した商品を届けてくれるトラックなどは身近な存在かも知れません。
トラック(自動車)に形や大きさの種類があるように、トラックを運転するための運転免許にも種類があります。
ここでは、そのトラックを運転するために必要な免許について紹介します。
目次
免許には種類がある
運転免許には、運転できる車種によって必要な免許の種類が変わってきます。
二輪と四輪でも種類があるし、けん引免許やタクシーやバスの運転に必要な二種免許。
一般的な免許といえば、車の運転に必要な普通自動車第一種免許(普通免許)です。
以前は、普通免許でも2トントラックや4トントラックも運転できていましたが、今の普通免許では2トン以上のトラックは運転できなくなっています。
2トン以上のトラックを運転する場合は、準中型免許・中型免許の取得が必要です。
関連記事:トラックの種類とサイズの一覧|大型・中型・小型はどう違う?サイズと寸法を解説!
中型免許の定義とは
車の免許は、普通・準中型・中型・大型(大特などもありますが)があります。
免許取得の時期によっては、条件付き(8t限定)の中型免許を所持している方もいます。
免許の種類は、運転できる車両の車両総重量・最大積載量・乗車定員の条件によって区別されます。
中型免許の条件は、車両総重量が7.5t以上11t未満、最大積載量が4.5t以上6.5t未満、乗車定員が11人以上29人未満です。
また、取得の条件として20歳以上で普通免許等取得2年以上となります。
関連記事:中型免許で運転できるトラックは?取得方法や準中型・大型免許との違い
マイクロバスを運転するために
一般的にマイクロバスとは中型自動車(車両総重量8t未満で最大積載量5t未満)の枠内で乗車定員が11名以上29名未満のものを指します。
マイクロバスは幼稚園・保育園などの送迎や飲食店等の送迎に使われているのをよく見かけます。
普通免許ではマイクロバスを運転することはできませんので、運転するには中型免許を取得する必要があります。
また、営業ナンバー(緑色のナンバープレート)のマイクロバスを運転する場合は、中型二種免許が必要となります。
4tトラックも運転するには?
普通免許で運転できるトラックは最大積載重量2t未満のトラックになります。
4tトラックを運転するには、最低でも準中型免許の所持が必要です。
4tトラックと聞くと、大半の方が4t分の荷物を積めると思われていますが、実際は4t分の荷物を積むことができないトラックがほとんどです。
積載できる重量は車両総重量から車両重量(トラック自体の重さ)を引いた分になります。
単純にいうと、車両総重量8tトラックの車両重量4.5tであれば最大積載量は3.5tまでとなります。
乗車定員分の重量もトラックの車両総重量に含む必要がありますので、乗車定員2名であれば、最大積載重量が110kg程度少なくなります。
一般的な4tトラックの場合、平ボディートラックといわれる荷台がむき出しのトラックでは箱を積んだトラックと違い、車両重量が軽いのでおおよそ4tの荷物を積むことができます。
荷台に箱が載っているトラックは、箱(架装部分)の重量がトラックの車両重量に含まれるため積載重量が少なくなります。
ウィングのトラックで荷台部分の開閉が電動式のトラックの場合は、モーター部分の重量が車両重量に加わるため最大積載重量はかなり少なくなります。
パワーゲート付きトラックも架装部分の重量が増えるため、積載重量はかなり減ります。
4tトラックを運転する場合は、トラックの架装にかかわらず最大積載量の条件が4.5t未満の準中型免許・中型免許以上が必要となります。
関連記事:4tトラックに必要な免許とは?準中型・中型・大型との違いと取得方法
中型トラック運転手の給料は?
トラック運転手の給料は、会社によりますが固定制か歩合制になることが多いです。
固定給の場合は、月給制で毎月決められた金額(残業その他の手当てが付く場合もある)が支給されます。
トラック乗務員の仕事は、一般的には3K(きつい、危険、汚い)だから普通の仕事よりも高額だと思われがちですが、特殊な資格(けん引免許・玉掛作業など)があれば多少多くなりますが中型免許で乗れるトラック程度では、高額な給料は望めないでしょう。
平均的な金額は25から30万程度が標準のようです。
歩合制の場合は、月の基本給(固定・日給・時給等)が決まっており業務(売上)に応じて手当てが増えていくのが標準です。
仕事の量によって、支給される金額が変わるため、多くの仕事を回してもらえる会社であれば歩合制のほうがより稼ぐことが可能です。
昭和の時代は、トラックに乗れば40万円以上も可能だと言われる時期もありましたが、昨今はコンプライアンスにより労働条件が厳しくなっているため思うように稼ぐことができないのが現状のようです。
商売をするなら、○○に行って一年間辛抱すればお金が貯まるなどとも言われるほど、トラック乗務員の給料は今とは比べものにならないほど高額だった会社もありますが、もちろん仕事の内容はかなり過酷なものだったと聞きます。
歩合制の場合、大型トラックで長距離仕事をするより近場で本数をこなしたほうが給料も多くなるケースがあります。
いずれにしろ、務めた会社の業績や給料体系により給料の金額は変わってきます。
関連記事:トラック運転手の給料は?サイズ別や年代別に細かく紹介!
中型免許の取得にかかる時間と費用
中型免許の取得には、普通免許等取得後2年以上の条件が付きます。
いきなり中型免許を取得することはできませんので、運転免許を所持していない方は普通免許もしくは準中型免許から取得しなければいけません。
時間について
中型免許を取得するには、中型トラックの技能教習を受けなければいけません。
所持している免許により技能教習の教習時間が変わってきます。
普通一種免許の場合は15時限、準中型免許・普通二種免許の場合は11時限中型トラックの技能教習が必要です。
さらに、普通一種免許と準中型免許は学科教習を1時限受けなければなりません。
普通一種免許所持の場合、取得までの期間はおおよそ10日以上が必要となります。
また、AT限定免許の場合は限定解除をする必要がありますので、ATの限定解除のための技能教習が4時限必要となり、取得期間もその分長くなります。
費用について
それぞれの教習所によって変わってきますが、普通一種免許の場合は16万前後、準中型免許・普通二種免許の場合は約13万程度かかるようです。
関連記事:自動車学校の料金はどれくらい?相場と費用を抑えるコツを解説!
関連記事:中型免許の取得費用はいくら?合宿・限定解除・分割の場合も詳しく紹介!
中型免許で運転できるトラック
中型免許で運転できるトラックは、最大積載量6.5t未満のトラックが運転できます。
ユニック車(クレーン付きのトラック)の運転も可能ですが、クレーンを操作する場合は別に玉掛作業者の資格が必要となります。
中型免許の取得する手順
取得にかかる費用を用意する
4tトラックを運転する必要がある場合、中型免許を取得しなければいけないことは前述いたしました。
企業の採用条件として、中型免許が条件であれば自身で取得する必要があります。
教習所に通う場合は、最低でも20万程度(補習費用も考えて)の用意があれば十分でしょう。
中型免許の技能試験を直接受けるという方法(4.1直接技能試験を受験する)もありますが、費用が安く済むかどうかは条件次第となります。
会社負担で中型免許を取得する
現状の仕事をする上で、中型免許が必要な業種であれば中型免許の取得費用を会社が負担してくれる場合があります。
トラック乗務員の高年齢化は運送業界などでは今後の大きな問題とされ、低年齢層の中型免許取得を勧めている会社も少なくありません。
以前は普通免許があれば運転できていた4tトラックが、準中型・中型免許がないと4tトラックが運転できないため、乗務員の確保が難しくなっています。
採用の条件として、準中型・中型免許の所持を余儀なくされている現状では20代の乗務員確保が厳しいため免許取得の費用を負担してくれる会社もあります。
ただ、会社としても取得後離職などのリスクもあるため、負担にあたり条件付きの場合もあります。
例えば、教習所の費用を自分で支払い後々会社から費用分を支給されるなどです。
大手のネット通販会社などは送料無料が大半を占め、しわ寄せが低運賃での契約というトラック運送事業者にはかなり負担のかかる条件となっています。
トラック乗務員の確保が死活問題であることは確かですが、トラック運送事業者が中型免許取得の費用を負担するのも経営を圧迫する要因であることは間違いありません。
きちんと教育を受ければ誰でも取得は目指せる
中型免許は、普通免許等取得2年以上が条件であり、普通免許の所持者であればよほどのことがない限り取得できます。
普通免許と中型免許で運転できる車の違いは車両の大きさです。
4tトラックと乗用車では長さ・幅・高さがかなり違ってきます。
なかなか、車両感覚を身につけるのは難しいので教習所等で技能講習を受けましょう。
軽自動車ばかり運転していた方が、普通乗用車(3ナンバー)をいきなり運転すると当たりそうで怖いと思うでしょう。
しかし、何度か運転すると次第に車両感覚が養われ普通に運転できるようになります。
トラックの場合も同様に、トラックを運転する回数が増えれば次第に車両感覚が養われ普通に運転できるようになります。
関連記事:中型免許で運転できるトラックは?取得方法や準中型・大型免許との違い
中型免許を取得する方法
直接技能試験を受験する
中型免許を取得する方法として、直接試験を受ける方法があります。
ただ、免許センターにいきなり行って受けることはできません。
まず、中型免許の仮免許を取得し、一定時間一般の道路を走る必要があります。
普通免許を所持している方なら、ご存じだと思いますが仮免許で公道を走行する場合は、その車両(トラック)の運転資格を3年以上有する人に同乗してもらわないといけません。
また、トラックも中型免許で運転可能なトラックを用意する必要があります。
個人の場合であれば、トラックを確保することはかなりハードルが高いです。
費用的には、教習所等に通うより安くいけるように思いますが準備や手間を考えるとなかなかそうではないようです。
仮免許・本試験ともにそうですが、運転免許試験場は教習所でないので失敗イコール減点となりますので合格率はかなり厳しいと考えてください。
中型免許をより早く取得したいのであれば、直接中型免許の試験を受けるのは得策とは言えないと思われます。
教習所に通いで取得する
中型免許取得条件を満たしている方であれば、教習所に通い実技免除での取得が可能です。(運転免許を所持が必須条件。)
取得には、少々時間がかかる場合もありますが一番確実な方法です。
教習所は免許センターと違い、免許を取得させることが目的です。
実技試験が免除されるためにトラックの運転技術を教えてくれます。
仮免許の取得や実技免除のための試験はありますが、試験センターのような緊張感がない分スムーズに中型免許を取得できます。
関連記事:自動車学校で免許取得に必要な期間とは?卒業検定までの流れを解説!
普通免許から中型免許を取得する方法
普通免許から中型免許を取得する場合は、普通免許の取得から2年以上が条件です。
普通免許で運転できるトラックは、乗用車の大きさとあまり変わりません。
トラックの運転経験があるからと直接技能試験を受ける場合は、前述(4.1直接技能試験を受験する)のとおりハードルが高いです。
運転経験があっても、車両感覚はまったく別のものとなりますので教習所等に通い実技免除で取得するのが一般的です。
8t限定中型免許(旧普通免許)を解除する方法
2007年6月2日の道路交通法改正により、それ以前の普通免許が条件付きの中型免許となりました。
中型免許の条件は、車両総重量8t未満に限るということです。
現行の中型免許の条件である車両総重量11t未満とは違っています。
旧普通免許を所持していれば、一般的な4tトラックまでは運転ができます。
中型トラックやマイクロバスを運転する場合は、旧普通免許では運転できませんので中型免許を取得する必要があります。
現行の中型免許(8t限定の解除)を取得する場合、教習所で技能講習を5時間受けることで実技免除となります。
費用は、約7万円程度です。
AT限定の普通免許の場合は、ATの限定解除が必要になりますので、技能講習4時間が必要となり、費用も3万5千円程度余分にかかります。
旧普通免許を所持している方は、大型免許の取得条件も満たしていますので中型免許ではなく大型免許の取得も検討できます。
ただし、費用と時間は中型免許取得よりかなり高額かつ長時間になります。
関連記事
・大型免許の費用はいくら?お得に大型免許を取得する方法も解説!
・中型8t限定を解除するメリットとは?方法や試験の内容や合格のコツなどを合わせて紹介します
まとめ
2007年の道路交通法改正により、普通免許を所持していれば運転できていたトラックが改正後の普通免許では運転できなくなりました。
トラックの大きさとしては小型である2tトラックの運転もできないため、運送業界は極度な人手不足となりました。
トラック協会からの強い要請もあり、2017年の道路交通法改正により、準中型免許ができある程度緩和はされました。
免許の種類が細分化されるほど、自分の運転できる車なのかどうかの判断自体が難しくなっています。
実際、トラック輸送は日本の物流の根幹となっておりますので、人材の確保は急務であるこ
とは間違いありません。
トラックは、大きくなるほど重量も増えるため、運転にはそれ相応以上の技術が必要です。
普通免許で大きなトラックを運転することの危険性は否めませんが、免許取得にかかる費用等の負担を少なくしないとトラック輸送の将来は明るくありません。
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