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4tトラックに必要な免許とは?準中型・中型・大型との違いと取得方法

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現在、普通免許でトラックドライバーをされている方も、またトラックドライバーに転職を考えている方も、今後のスキルアップのために考えるのは4tトラックの免許の取得ではないでしょうか。

ここではそんな方たちのために、4tトラックを運転するための免許の種類、その取得方法や費用などをまとめてみました。

それではまずはじめに、必要な免許から見ていきましょう!

4tトラックの運転に必要な免許は?

特殊免許を除けば、現在は普通・準中型・中型・大型と、4区分に分かれている自動車免許ですが、4tトラックを運転するには、どの免許が必要なのかご存じでしょうか?

答えは「中型免許以上」ということになりますが、これも道交法改正の前に取得した普通免許と、後に取得した普通免許ではルールが変わってきます。

それでは、4tトラックの大きさや種類、4tトラックの運転にはどの免許が必要なのかなどを順を追って説明していきましょう。

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4tトラックの大きさ

最大積載量5t未満、車両総重量8t未満の中型トラックを指して4tトラックと言います。

4tトラックは運送業のみならず、飲食業や建築業など、その使用目的は多岐にわたり、もっとも需要が高く汎用性に優れたトラックと言えます。

道路で一番見かけるトラックも4tトラックではないでしょうか。

関連記事:お化け四トンってなに?トラックの特徴や運転に必要な免許など詳しく紹介します

4tトラックの種類(4tトラック寸法一覧)

一口に4tトラックと言っても、そのサイズは様々です。現在は5種類のサイズの4tトラックが存在します。

以下に挙げるのが、4tトラックの種類とサイズになります。

4tトラックの種類とサイズ

出所:ドライバーキャリア作成

 4tトラックは普通免許で運転できる?

これは先にも書きましたが、4tトラックを運転するのに必要な免許は中型免許以上ということになりますので、現行の法律では普通免許で4tトラックを運転することはできません。

普通免許を取得した時期にもよりますが、少なくとも最近普通免許を取得した方であれば、運転できる範囲は小型トラックのみとなります。

もちろんトラック自体は運転可能ですが、小型トラックのみだと、こなせる業務が限られてきてしまいます。やはり、長くトラックドライバーを続けたいと考えるのであれば、4tトラックに乗れる中型免許の取得は必須と言えます。

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普通免許は取得時期によって違う?

平成19年6月と、平成29年3月に施行された改正道路交通法により、普通自動車運転免許証は、その取得時期によって運転できる範囲が異なります。

以下に、普通免許を取得した時期と、運転できる範囲の違いを記しておきますので、ご自分が取得している運転免許証と照らし合わせてみてください。

(1)平成19年6月1日以前に取得した普通免許の運転区分

  • 車両総重量 8t未満
  • 最大積載量 5t未満
  • 乗車定員 10人以下

(2)平成19年6月1日以降、平成29年3月11日までに取得した普通免許の運転区分

  • 車両総重量 5t未満
  • 最大積載量 3t未満
  • 乗車定員 10人以下

(3)平成29年3月12日以降に取得した普通免許の運転区分

  • 車両総重量 3.5t未満
  • 最大積載量 2t未満
  • 乗車定員 10人以下

つまり、このことをトラックに照らし合わせてみますと、

  • 平成19年6月1日以前に取得した普通免許は「4tトラック」まで運転可能。
  • 平成19年6月2日から平成29年3月11日までの普通免許は「2tトラック」まで運転可能。
  • 平成29年3月12日以降の普通免許は「1tトラック」まで運転可能。

ということになります。

関連記事:中型免許の取得費用はいくら?合宿・限定解除・分割の場合も詳しく紹介!

 

普通免許を持っていない場合はどうする?

 

今このサイトをご覧になっている方の中には、「4tトラックに乗りたいけれど免許すら無い」という方もいらっしゃるかもしれません。

4tトラックを運転するには中型免許以上の免許が必要となり、また中型免許を取得するには、まず普通免許の取得が必須となります。

しかし、平成29年3月12日以降に制定された新制度として「準中型免許」というのがあります。この準中型免許であれば、4tトラックは無理ですが、3tトラックまでなら運転は可能です。

また、準中型免許は普通免許が無くても18歳から取得可能となっています。

準中型免許を取得する方法としては二種類あり、直接免許センターで仮免許の試験に合格後、本免許の試験に臨む方法と、自動車教習所で運転技術を学び、それから免許センターで本試験に臨む方法です。

ここでは、「4tトラックに乗りたいけれど免許が無い」という方のために、自動車教習所に通う二つの方法を紹介したいと思います。

最寄りの自動車教習所に通う

自動車免許を取得するには、技能教習と学科教習の二つを修了する必要があり、それぞれ仮免許取得までの第一段階と、本免許取得までの第二段階に分かれています。

また、自動車教習所に入校後は、最初に適性検査を受けることになります。その適性検査合格後の自動車免許教習の流れは以下のようになります。普通自動車免許教習の流れ

出所:logistics journal作成

現有免許が無い(原付、小型含む)場合の準中型自動車免許の教習時間は以下の通りとなります。(1時限は50分となります)

技能教習
  • 第一段階 18時限(うち、13時限は普通車教習)
  • 第二段階 23時限(うち、12時限は普通車教習)
学科教習
  • 第一段階 10時限
  • 第二段階 17時限

上記の通り、準中型自動車免許を取得するまでには、かなりの時間を要します。

しかし、教習期限は最長で9ヶ月間あり、卒業検定期限は全過程を修了後3か月間あります。なので最長で一年は自動車教習所に在籍することが可能です。

ただし、卒業検定まで仮免許の有効期限があることが条件となります。

卒業検定合格後は、免許センターでの本試験となりますが、その際には実技試験は免除となり、適性検査と学科試験のみとなります。

ただ、ここで一つ注意してもらいたいのは、自動車教習所には二種類あるということです。

自動車教習所には「指定自動車教習所」と、「指定外自動車教習所」の二種類あり、「指定外自動車教習所」を卒業の場合は、免許センターでの本試験の際、実技試験は免除とはなりませんのでご注意ください。

なお、現有免許が無い場合の準中型免許取得までの平均費用は、およそ38万円ほどとなります。

関連記事:自動車学校で免許取得に必要な期間とは?卒業検定までの流れを解説!

合宿免許という選択

「教習所に通うのは面倒だな」という方のためには、合宿免許という選択肢があります。合宿免許は各地方にあり、教習所にもよりますが、現有免許が無い場合でもおよそ18日間で準中型免許を取得可能です。

昨今ではリゾート施設と併用して運営している合宿免許所も多数あり、旅行気分で免許を取得されにゆく方たちも増えています。

ただし、合宿免許の場合は免許取得費用の他に宿泊費用が掛かってくることを忘れないでください。

もし費用を抑えたい場合は、GWや夏休みのある3月~8月の免許取得シーズンを外して行くという手があります。9月~2月のオフシーズン時には、宿泊費用を多少なりとも安くしている合宿所があるからです。

そしてなにより、オフシーズン時には募集人数が少なくなりますので、合宿所も空いている可能性が高いです。「混雑しているのが嫌だ」という方にもおすすめです。

関連記事

・4トントラックの運転に必要な免許は?車両総重量と最大積載量をわかりやすく説明!

 準中型自動車免許とは?その取得方法

さて、ここまでは「4tトラックを運転するためには中型免許以上の免許が必要」ということがわかっていただけたと思います。

では、先に紹介した準中型免許とは何なのか?ということを、普通免許を取得済みの方の準中型免許の取得方法と併せて説明していきましょう。

準中型免許とは、平成29年3月以降に制定された新しい免許

準中型免許は、平成29年3月12日に施行された改正道路交通法から新たに制定された免許制度です。

この準中型免許は、普通自動車に乗るための普通免許と、4tトラックに乗るための中型免許の中間に区分される免許です。この新免許により、今までは中型免許を取得しなければ運転ができなかった3tトラックを運転できるようになりました。

この準中型免許の制定には、今も人手不足を叫ばれる運送業界からの強い要望があったようです。これにより4tトラックは無理でも、2t、3tトラックのドライバーとしてなら18歳からでも活躍できるようになりました。

準中型免許の運転区分は以下の通りです。

  • 車両総重量7.5t未満
  • 最大積載量4.5t未満
  • 乗車定員10人以下

普通免許取得済みの場合の準中型免許の取得方法

こちらの場合も、免許センターへ直接試験を受けに行く方法と、自動車教習所に通う二つの方法があります。

自動車教習所に通う場合、教習時間は以下のようになります。

普通免許を取得済みの場合

技能教習
  • 第一段階 4時限
  • 第二段階 9時限
学科教習
  • 第一段階 免除
  • 第二段階 1時限

AT限定普通免許を取得済みの場合

技能教習
  • 第一段階 8時限
  • 第二段階 9時限
学科教習
  • 第一段階 免除
  • 第二段階 1時限

なお準中型免許の取得にかかる費用は、普通免許所持でおよそ15万円AT限定普通免許所持でおよそ16万円ほどとなります。

こちらの方も合宿免許があり、およそ6日ほどで全過程を修了できます。

必ず注意してほしいこと

制度の複雑であるがゆえに勘違いされる方が多いのですが、4tトラックに乗るには「中型免許以上の免許」が必要です。準中型免許では4tトラックに乗ることはできません。

準中型免許で運転できる車両総重量は7.5tまでです。これに対し4tトラックの車両総重量はおよそ7.9tで作られています。つまり準中型免許の運転区分を超えています。

準中型免許で4tトラックを運転すれば無免許運転ということになり、捕まります。

  • 4tトラックが運転できるのは中型免許から。
  • 準中型免許では4tトラックの運転はできない。

このことは必ず頭に入れて、くれぐれも注意してください。

関連記事:7.5トントラックの運転に必要な免許は?準中型免許で乗れる?

中型免許の取得方法

 

さて、ここからは4tトラックに乗るために必須となる中型免許の取得方法について説明していきたいと思います。

中型免許を取得すれば、晴れて4tトラックを運転できるようになり、4tトラックならではの業務である中距離、長距離の配送など、仕事の幅もぐっと広がることでしょう。

中型免許の取得条件

4tトラックを乗るための中型免許の取得条件には、まず年齢が二十歳以上であることが求められます。

また普通免許、大型特殊免許の取得経歴が2年以上も条件の一つです。ただしこれは、取得から免許停止期間があった場合、それを差し引いた期間となります。

その他には「中型8t限定免許」の所持があります。これは平成19年6月1日以前に普通免許を取得されている方の免許で、こちらの方は限定解除試験を受けることで中型免許を取得できます。

準中型免許を取得している方も、限定解除試験を受けることになります。

また、4tトラックの運転には細心の注意を払わなければいけないため、中型免許の取得条件には以下に挙げる身体能力も必要となります。

  • 視力:両眼が0.8以上、片眼が0.5以上であること。眼鏡、コンタクトの使用は可能。
  • 深視力:奥行知覚検査器により3回検査し、誤差が平均2㎝以下であること。
  • 色彩:信号機の赤色、黄色、青色が識別できること。
  • 聴力:10mの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること。補聴器の使用は可能。
  • 運動能力:自動車の運転の際に障害を及ぼす身体障害がないこと。

中型免許の運転区分

  • 車体総重量:11t未満
  • 最大積載量:6.5t未満
  • 乗車定員:29人以下

ちなみに、中型免許取得後、運転する車種として4tトラック以外には、マイクロバスなども人気が高いようです。

中型免許の取得方法

4tトラックに乗るための中型免許の取得方法としては、二つの方法が挙げられます。

まずは直接免許センターへ技能試験を受けに行く方法です。技能試験は4tトラックで行われます。運転技術に自信のある方にはおすすめですが、中型免許試験は一週間に一回程度しか行われていませんので、最寄りの免許センターに確認を取った方がいいでしょう。

一発合格に自信のない方は、自動車教習所を利用しましょう。

以下に現有免許別の必要教習時限を記しておきます。

普通MT
    • 技能教習15時限
    • 学科教習1時限
普通AT
    • 技能教習19時限
    • 学科教習1時限
8t中型MT
  • 技能教習5時限
  • 学科教習免除
8t中型AT
  • 技能教習9時限
  • 学科教習免除
大型特殊免許
    • 技能教習31時限
    • 学科教習4時限(大型特殊免許は医師免許がある場合、応急救護教習免除のため学科教習は1時限となります)
普通二種MT
  • 技能教習11時限
  • 学科教習免除
普通二種AT
  • 技能教習15時限
  • 学科教習免除

すべての技能教習は第一段階と第二段階に分かれて行われ、第一段階修了後、仮免許試験をえて第二段階で路上教習となります。学科教習は第二段階で行われます。

また準中型免許を所持の場合は、8t限定免許を所持している方より技能教習が1時限少なくなります。

そして、気になる費用の方ですが、現有免許によっても違いますが、相場は下記の通りです。

  • 普通免許所持 15万円から20万円
  • 中型8t限定免許所持 5万円から7万円

準中型免許を所持している場合でも、掛かる費用は中型8t限定免許と同じくらいです。

関連記事:中型免許の取得費用はいくら?合宿・限定解除・分割の場合も詳しく紹介!

大型免許の取得方法

 

さて、次は4tトラック以上の仕事を目指している方のために大型免許の取得方法をご説明しましょう。

大型免許を取得すれば、さらに給料はアップしますし、取っておいて損は無い免許と言えます。

大型免許の取得条件

大型免許の場合、取得できる年齢は中型免許からさらに一年延びた21歳からとなります。

また、普通免許の取得経歴も3年以上となり、中型免許と同じように取得期間中に免許停止期間がある場合は、それを差し引いた年数となります。

身体能力に関しては中型免許と変わりません。

大型免許の運転区分

  • 車体総重量:11t以上
  • 最大積載量:6.5t以上
  • 乗車定員:30人以上

上記を見ていただければ分かる通り、現行の法律では4tトラックはもちろん、乗ることの出来る車種の上限が無くなります。

大型免許の取得方法

大型免許の取得方法も、直接免許センターで技能試験を受けるか、自動車教習所を利用するかになります。

関連記事:大型免許の一発試験で取るのは難しい?合格率や運転のコツ教習所に通った場合の比較などを紹介

以下に現有免許別の必要教習時限を記しておきます。

普通MT
  • 技能教習30時限
  • 学科教習1時限
普通AT
  • 技能教習34時限
  • 学科教習1時限
8t中型MT
  • 技能教習20時限
  • 学科教習免除
8t中型AT
  • 技能教習24時限
  • 学科教習免除
中型
  • 技能教習14時限
  • 学科教習免除
大型特殊免許
  • 技能教習31時限
  • 学科教習4時限(大型特殊免許は医師免許がある場合、応急救護教習免除のため学科教習は1時限となります)

そして費用の方ですが、相場は下記の通りになります。

  • 普通免許所持 25万円から35万円
  • 中型免許所持 15万円から20万円

中型免許、大型免許も共に合宿免許もありますので、スピーディに取得したいと考えているなら合宿免許がおすすめです。

  • 中型免許 3日から8日
  • 大型免許 7日から14日

取得日数の差は、現有免許によるものです。

関連記事

・中型免許で運転できるトラックは?取得方法や準中型・大型免許との違い

まとめ

 

さて、普通・準中型・中型・大型免許についてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?

現在、運送業界では人手不足が叫ばれ、その不足度は国内ワースト2位となっています。理由として挙げられるのは、平成19年6月より制定された中型免許により、簡単に4tトラックに乗れなくなってしまったこと。それに加え、若者の自動車離れが拍車をかけた形となってしまいました。

特に、需要と汎用性がトップである4tトラック、そのドライバーは不足の一途をたどっています。求人誌や求人サイトを覗けば、4tトラックのドライバーの求人は山ほどあり、その不足度が分かります。

しかし、逆に言えば、4tトラックにさえ乗れれば、物流業界はもちろん、運送に関わる仕事において仕事には困らないということです。

これを機に、まずは4tトラックのドライバーを目指してみては、いかがでしょうか。

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