事故防止

デジタコとは?アナタコとの違いや使い方について詳しく解説

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近年運送業界を中心に普及してきている「デジタコ」。最近よく耳にする方も多いと思います。

デジタコとは、「デジタルタコグラフ」の略称で、運行記録計のことを指します。

本記事ではこのデジタコについて

  • デジタコとは
  • デジタコの使い方
  • デジタコの購入方法

の詳細を記事にしてまとめてみました。

下記、デジタコの特徴やその重要性についてみていきましょう!

デジタコとは自動車の運行に欠かせない装置

 

デジタコってなに?

デジタコとは、「デジタルタコグラフ」の略称で、運行記録計のことを指します。 近年、自動車(事業用トラック)の長距離輸送時における事故が多発している点から国土交通省が 運行管理の徹底を事業者に求めており、平成29年4月から車両総重量が7トン以上又は最大積載量が4トン以上の事業用トラックにデジタコの搭載が義務化されました。

デジタコの役割は、トラック運転時の走行スピードなどの変化をグラフ化することで トラックの運行状況が適正に管理されているかを把握する為の物です。 運転手の健康管理、安全性の確保や、そして業務効率化を実現するためにも、デジタコで記録されたデータは運行管理面においてもとても重要なものとなります。

アナタコとの違いは?

デジタコが「デジタルタコグラフ」の略称であるのに対しアナタコは「アナログタコメーター」の略です。要するにデジタルかアナログかといった違いで用途的には同じ運行記録計のことを指します。アナタコは、専用の円形チャートに、運転時の状況や走行した距離、時間を線チャートにて記録していく仕組みです。デジタコとアナタコで使い方は異なりますが、用途は同じです。ただ、価格や使い勝手など下記内容の通り違いがあります。

デジタコの場合

価格  → 高い
使い勝手  → 使いやすい
運転手の束縛性  → 高い
コスト削減性  → 低い
データ改ざん  → ほぼ不可能

アナタコの場合

価格  → 安い
使い勝手  → 使いにくい(専門性が必要)
運転手の束縛性  → 低い
コスト削減性  → 高い
データ改ざん  → 可能

上記を見ても分かる通り、機能性や利便性では圧倒的にデジタコの方が良いです。ただ機能が良いということはそれだけ価格も高価になります。高価になると規模の小さなの物流会社などには少しハードルが高くなってくるわけです。また運転手側の視点から見ると常に業務中は監視されているようなものなので、徹底的に管理されているといった感じがして良い気はしないかもしれません。こっそりサボったりといったことは難しいってことですね。また、デジタコは初期導入のコストは高いですが、一度導入以降に大きな費用がかかることはありません。

より簡単に使える装置に

アナタコは記録したものを解析するのにある程度の専門知識が必要でした。しかし、デジタコの場合はデジタコに記録されたメモリーカードをPCに差し込めば運行管理システムがすぐさま反映し、照会することができます。運転手、運行管理の両目線で見てもデジタコの方が圧倒的に業務は楽で業務時間も短縮できます。また、デジタコは運送遅延の原因をすぐさま分析でき、操配面でも効率よく車両を運行することができるのです。

デジタコの種類

デジタコと言ってもその機能に応じて3つの種類に分けることが可能であり、特徴などに関しては以下の通りです。

【デジタコ・単機能タイプ】

特徴:最もシンプルなもので、時速、速度、距離の確認が可能
メリット:他のデジタコと比べやすく、シンプルなので操作もしやすい
デメリット:様々な観点からトラック走行について分析することができない

【デジタコ・標準タイプ】

特徴:時速、速度、距離の確認が可能であり、ドライブレコーダーや帳簿出力との連携が可能
メリット:最低限の機能がついており、価格も安い
デメリット:多機能タイプと比べて機能が少なく、追加することができない

【デジタコ・多機能タイプ】

特徴:時速、速度、距離以外にも燃費管理やアルコールチェック、アラーム通知などがあり、デジカメなどが搭載されたものもある
メリット:様々なデータから効率的な運転ができるようになる
デメリット:導入するのに20~30万円ほどかかるため高い

トラックの使用頻度などにもよるので一概には言えないのですが、デジタコは正しく使用することで業務効率を大きく改善することが可能であり、事故の防止や人件費の削減などに役立てることができます。

導入する場合は、使用頻度や目的に応じたものを選ぶようにしましょう。

関連記事:【最新】デジタコの義務化は2024年にはどうなる?義務違反になる内容を解説

デジタコの使い方

デジタコの使い方はとても簡単です。運転手は、トラックにメモリーカードを差し込むだけでオッケーです。あとは自動的に運行状況を記録してくれます。最近ではスマートフォンとデジタコを連携して、速度超過や連続運転時にはアラートでお知らせをしてくれたりするのでその点では運転手の方も重宝すると思います。(運転手は配達を急ごうと思い、つい連続運転時間を超過してしまうことも多々ありましたので。。)運行管理者も運転手が帰社後にpcにデジタコのメモリーカードを差し込むだけでオッケーです。あとは自動的にデータを作成してくれているので、印刷するなり、データ保存するなりして管理しておけば良いのです。

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関連記事:デジタコの運転日報の見方は?デジタコを有効に活用する方法まで説明

デジタコのチェック項目

急発進と急減速

デジタコには、急発進や急減速、急停車などの異常な加速度があった場合、前後の十数秒間が自動的に記録される機能が備わっています。これにより事故などの原因究明が解析しやすくなります。

アイドリング

デジタコはアイドリングの状態も記録することができます。燃費の向上などに役に立つため、車両管理がしやすくなります。

長時間運転

デジタコには長時間運転時もアラートのようなお知らせ機能も設定することもできますので、運転手が長時間運転をすることがないように運転手も気をつけることができるし、運行管理者も労務管理がしやすくなる。

関連記事:トラック運転手の仕事はなくなる?運送業界の将来性を徹底解説

デジタコのメリットやデメリット

 

デジタコのメリット

デジタコには下記の通り、たくさんのメリットがあります。

①操作性に優れ、管理がしやすい。
運転時にメモリーカードをデジタコ機器に入れるだけでよく、また運行管理者も運転手帰社後にPCにデジタコのメモリーカードを入れてデータを展開するだけで良いのです。

②専門知識が必要ない。
アナタコと違い、デジタコは自動でデータで記録がされていく為、解析時の専門知識が必要がありません。よって、複雑な専門知識を持った人材がない為、特定の人しか運行管理ができない、運転手ができないといったことがありません。結果、デジタコ導入により業務管理がしやすくなります。

③アナタコより多くの情報を記録できる。
デジタコには「エンジンの回転数の変動」、「今現在の位置情報をGPSでチェックできる」や「急加速・急減速」「おまけにドアの開閉状況」などアナタコにはできない機能がたくさん付いており、後々そのデータを活用して他部署への水平展開もしやすく、運転手に指導するときもデータを見返しながらしっかりとした指導ができるといったメリットがあります。

④労働時間を削減できる。
アナタコの場合は運転手が帰社後、その日の運行状況の記録を紙に書き、記録を残しておく必要がありました。これが意外と面倒です。運転手も疲弊して帰ってきて、体はおかえりモードに入っているのに、会社でこのような業務があると作業時間は伸びていく一方です。また運行管理者も運転手が紙に運行記録を記載し終えるまで帰れないといった暗黙の了解もあるので右に同じくです。デジタコの場合はPCにデータを落として自動的にデータの書き込みなどもしてくれるため、事務処理の煩わしさが少なくなるため、結果的に労働時間を短縮するとことができます。

デジタコのデメリット

もちろんデジタコにもデメリットはあります。下記3点ご確認ください。

①価格が高い。
機種にもよりますが、アナタコは7万程度で購入が可能です。ただし、デジタコは安くても最低20万円近くします。アナタコの2倍以上の価格になるのです。

その為、デジタコを初期投資として導入するには、トラック保有台数が多ければ多いほど、それだけ高額な費用が発生するってことです。管理や操作がしやすくなる反面、価格はやはり高くなります。しかし、これは費用対効果としては当たり前のことですし、あくまで初期投資額です。一度購入してしまえば、定期的に費用が発生することはりませんし、これからデジタコが主として今よりもっと主流になってくれば、価格競争も行われ、デジタコ自体の価格も今より安価になってくると思われます。

②運転手のストレスになる。
デジタコにはありとあらゆる機能が付いて便利である反面、運転手は休憩時間も含めて、徹底的に管理されている状態です。精神的にも常に監視されているような感じになりストレスを感じる方も多いと思います。

仕事ってちょっとした息抜きも大切ですので、あまり徹底的に管理しすぎると運転手の離職に繋がりますので、そのあたりを考慮した上で、デジタコを採用している企業に就職することが大切になってくると思います。

③データ破損によるデメリット
アナタコは紙ベースでのアナログ管理が主流(もちろん後程デジタルに落とし込む場合もあります。)でしたが、デジタコはPCに取り込みしてデータ管理を行う為、ある日突然、デジタコのデータが破損してしまい、データの中身が確認できなくなってしまった場合、JSOXなどの社外監査時にしっかりと適正な運行管理が行われていないと見なされることがあります。そうなると、コンプライアンス違反として社会的信用を失い、結果的に倒産してしまう!なんてことも可能性としてはあるかもしれません。

このような最悪の事態を防ぐためも、デジタコを使用する場合は、しっかりと紙ベースでも印刷してマニュアル保管しておく、またはデータのバックアップをとっておくなどの対策が必要になってきます。

関連記事:タコメーターの見方/使い方は?名前の由来・後付けの方法も解説!

デジタコの購入方法、取付方法は??

デジタコはカー用品店などに置いてあることはほとんどありません。トラック販売を主に行っている会社やデジタコを専用で作っているメーカーなどで購入する必要があります。デジタコの取付は購入時にオプションで一緒にしてもらうことがほとんどです。デジタコのネット注文などもありますが、デジタコの取付は自身で行うか整備・取扱いに知見のあるところにお願いする必要があります。また、自身でデジタコ取付後、後々不具合でデジタコのデータがしっかり記録されない。などといったトラブルにもつながりますので、しっかりとした取扱店で取付してもらうようにしましょう!

関連記事:スマホをドライブレコーダーに?!オススメアイテム・変身方法も徹底解説!

進化するデジタコは義務化される方向へ

デジタコの義務化は近年ますます厳しくなってきております。2019年11月現在、車両総重量が7トン以上又は最大積載量が4トン以上の事業用トラックの全てにデジタコの搭載が義務付けられました。平成29年3月までは新車以外はの上記対象車両にはデジタコの搭載義務は適用されておりませんでしたが、平成29年4月以降は新車、旧車関係なく対象車両すべてにデジタコの搭載義務が適用されるようになりました。おそらく近い将来、車両総重量や最大積載量に関係なく、事業用車両の全てにデジタコを配備することが必須となることでしょう!

関連記事:トラックドライバーの休憩や休日の取り方・ルールを徹底解説

将来的に活躍が期待される「スマートタコグラフ」について

様々な機能を参考にトラック業務の改善に役立つデジタコですが、国土交通省では更に進化し高機能化した『スマートタコグラフ』を将来的に普及させようと計画しています。

スマートタコグラフでは「IC運転免許証の承認」「ドライブレコーダーとの連携」「健康診断や適性診断のデータの一元管理」「遠隔地でのリアルタイム運行管理」など多くの機能が追加される予定です。

過労による事故などが問題となっていますが、将来的にはドライバーの体調変化などの察知や警報により事故を未然に防ぐなどして更に効率よく、安全な運行が可能になると言われています。

関連記事:タコメーターの見方/使い方は?名前の由来・後付けの方法も解説!

まとめ

皆様もニュース等で杜撰な運行管理をしている運送業者、バス会社が起こした不慮の事故により人命が失われた報道などは耳にしたことがあると思います。これらの事故原因は、長時間労働や適正な運行管理が行われていないことに起因することがほとんどです。

近年コンプライアンスといった言葉が世間的に広まり意識されるようになっているこのご時世、コンプライアンス違反をしている企業は社会的信用を失い、徹底的に淘汰されていく時代です。よって、しっかりと運行管理と労務管理を徹底していくことが何より大切です。それらすべてを行うことで安全が守られていくのです。「安全は全てに優先する」といった言葉があるようにしっかりとルールを守って運行管理と安全運転を行っていくために、デジタコは必要なアイテムになってきているのです。

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